2012年05月13日

1991年、春


4月の末で、札幌から東京へ来て21年が経った。

上京してきた日を今でもよく覚えている。家を出て、札幌駅から千歳空港へ向かって、搭乗手続きをして…なんて当たり前の光景まで、その日に限って鮮明な記憶が残っているので、十九の歳の小僧にとっては本当に一大決心だったんだな。期待よりも不安のほうがずっとずっと大きくて、その気持ちまではっきり思い出せる。

住み慣れた、生まれた場所を離れた。たぶん一生に一度のこと。

東京に知り合いはほとんどいなかった。上京前から覚悟してたつもりでも、やっぱり寂しくて、札幌の友達が恋しくて恋しくてしかたがなかった。でも、泣きごとを言いたくなくて、たまに電話で話したりしても、本当の言葉は伝えられなかった。自分の気持ちを上手に言える人、その頃もまわりにいた。すごく羨ましいなと思っていた。俺はなぜかっこつけて、強がっているのか、自分でもアホかと思っていた。でも小僧は小僧なりに必死だった。こっちの生活の始まりはそんな感じだった。


あれからずいぶん年月が経って、いろいろ、「いろいろ」ってひとくちに言える訳ないけれど、いいこともそうでないことも、出会ったり別れたりも、最高に笑えることも死にたくなったこともあったけれど。ひと回り、ふた回りした今、あの時に決めた出発は間違いじゃなかったと、ただそう思っていたい。孤独と付き合って、音楽と向き合っていく道中で、東京にも仲間ができた。そしてまだ歌を歌っている。前よりもっと歌が好きになっている。先は長い。明日は何が起こるか分からない。でも、ずっと胸の奥にあるかたまりのようなものは、札幌を出てくる時から変わらないで持っている。根っこはそこにある。枝が増えて、葉っぱをつけて、花が咲いたり散ったりしたって、別の樹になるわけではない。たとえばまた違うどこかへ移り住むことがあっても、それはきっと変わらないと思う。


最近、FacebookやTwitterで、当時の友達から連絡をもらうことが続いたせいだろうか。なんだかこんなことを考えてしまった。久しぶりに目にした名前は、懐かしく、嬉しく、たくさんの思い出がよみがえりました。振り返れば気が遠くなりそうに、気持ちも言葉もどんどん溢れてくるけれど、それはひとりひとり会ったときに話そう。とにかく今はこんな感じ。

「ありがとう。俺、なまら元気。」



posted by iMAGINATIONS at 12:29| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | Diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
19歳、若いですよね〜。
色々を乗り越え、今、義樹さんが生きててくれて良かったです(^_^)。
命の有る限り生きて行かねば、と、改めて感じる今年です。
ホンマ色々ありますなっ。
Posted by gangan at 2012年05月19日 00:40
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