2006年08月18日

夏の雨

知人である音楽家の訃報が届く。実際に会ったのは1度だけだったが、彼のデビュー時メーカーの人にシングルを聞かせてもらったり、共通の友人がいたり、何より歳が同じということでとても気になる存在だった。3年半前から、極めて症例の少ない大病と闘っていたという。ある機会に紹介してもらった時、すでに闘病中だったにも関わらず、そんな事は微塵も感じさせない燃える目が印象的だった。年季が入ったアイアンメイデンのTシャツ、そして帰り際にメロイックサイン。「それじゃ、また」。もっと仲良くなりたい人だな、と思った。
その数ヶ月後に再入院し、予断を許さぬ状況が続いていると友達から伝え聞いた。それでもきっとまた会えるだろうと思っていたから、報せを聞いた時は凄く悲しい気持ちになった。

僕らはまだ若い。子供の頃は思わなかった。30歳を過ぎてこんなにも新鮮な気持ちで生きていられると。20代の混沌とした時期を経て、無駄と思っていた出来事すら大きな経験として蓄積され、自分のより深い場所にフォーカスが定まって行く。そしてやりたいことはまだまだある。「これからは書くことを中心にしていきたいんだ」と話してくれた、彼の翻訳した本はとてもさわやかな感動作だった。読後の感想を直接伝えられなかったのが非常に心残りである。

ご冥福を心よりお祈りいたします。

http://www.zoetron.com/

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盲目の犬ぞりレーサー 私に見えるのは可能性だけ
レイチェル・セドリス 著
山田貴久 訳


posted by iMAGINATIONS at 01:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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