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最初に聴いた曲は『発光体』だったかなあ。PVを見たんだったかもしれない。それで『3×3×3』のCDを買って、その後に出た『ミーのカー』で完全にはまった。タイトル曲のロングバージョンが入っているという理由でアナログ盤も買った。友達に薦めまくって、その頃に自分がやってたFM番組でも何度か流した。それを聴いてくれたレコード会社のディレクターさんが『太陽の白い粉』のサンプル盤を、僕に、とFM局の担当者に手渡して下さった。本当にうれしかった。その出来事抜きでも『太陽の白い粉』は全曲好きになった。ものすごくかっこよかった。iPodがまだ無い時代、いつもCDウォークマンで聴くのに持って歩いていたから、紙ジャケがぼろぼろになった。
もちろんライブにも行った。最初に生で観たのは確か赤坂ブリッツで、あまりの音のでかさに、後半は耳が飛んだ。生まれて始めて行った地元のライブハウスを思い出した。帰り道、耳がキーンと鳴っている、モワーっとしたあの感じ。街の音がよく聞こえなくて、でも、そのおかげで余韻に浸れているような、あの特別な感じ。
ゆらゆら帝国のプロデューサー石原さんのバンド、亀川さんも参加しているThe Starsのライブに行ったら、後ろに坂本さんがいたことがあった。でも、あまりに好きなので声がかけられなかった。何を話せばよいか分からなかったし、プライベートを邪魔しちゃいけない気がして。
そう。僕、単なるファンです。
だから悲しい。ゆらゆら帝国の新曲が、この先もう聴けないことが。ライブが観られないことが。あの三人が一緒に演奏する瞬間の空気に触れられないことが。
ゆらゆら帝国を聴いていると、日常が曲がるのを感じる。自分がいつも見ているこの世界が、本当は世界のほんの一面にしか過ぎなくて、どこか一枚ペロンとめくるとまるで別の世界が現れるんじゃないか、とか。眼を閉じてまぶたをギュッと押さえた時に広がるキラキラした世界が本物で、普段生活している場所がニセモノなんじゃないか、とか。それはうっとりするほど心地よい不安定感で、こんなに想像力がかき立てられる、別次元のドアを開けてくれるような言葉とメロディーと音の組み合わせを、僕は他に知らない。だから・・・本当に悲しい。
ちなみに「ゆら帝」と略す人の事をファンとは認めていない。個人的には。
まとまりません。
ただ、もし聴いたことが無い人がいたら、それはかなり損してると思うので、聴いて下さい。メジャーリリース以降のオリジナルアルバムと、上に書いた思い出のミニアルバム『太陽の白い粉』をリンクさせておきます。
今日は僕も時間の許す限りすべて聴いていたい。別の世界、でも確かに存在する美しい世界を感じていたいから。
3×3×3 / ゆらゆら帝国
ミーのカー / ゆらゆら帝国
太陽の白い粉 / ゆらゆら帝国
ゆらゆら帝国V / ゆらゆら帝国
ゆらゆら帝国のしびれ / ゆらゆら帝国
ゆらゆら帝国のめまい / ゆらゆら帝国
Sweet Spot / ゆらゆら帝国
空洞です / ゆらゆら帝国