小学校高学年から自分でレコードを買うようになって、中学で真剣に音楽にのめり込んで、それから音楽を通してドアが開いていくような体験が何度もあった。でもある程度まで行くと、それまでみたいに広がる感覚はどうしても減っていく。去年鼓童を初めて目の前で見た時に、そんな気持ちが一度真っ白にされた。少し音楽が解ってきたような気になってた自分を恥ずかしく思った。日本の伝統的な楽器や踊りを引き継ぎながら決して古くならない表現。いや、少なくとも僕の中では最高に新しい芸術だった。去年のあのタイミングで出会えたこともまた、音楽の神様からのギフトのように思えた。そして今年、また鼓童は深くなっていた。受け取ったものを自分の活動において昇華することが、感動に対する唯一のお返しなのだろう。簡単なことではないけれど、真剣にやればきっと何かが見えるはず。地に足つけて、自分らしく。
佐渡は今回もでかく、美しかった。