特集の中では誰も挙げていない作品でパッと思い浮かんだのは、映画『哀しい気分でジョーク』かな。ビートたけし主演の、お笑い芸人と余命いくばくもない幼い息子の話なんですが、対比がたまらない訳ですよ。息子の事を心配しながら、仕事でしょうもないかぶり物をつけたりしてね・・。公開当時の僕は小学生か中学生か、まだたけしが映画監督を始める前の作品だったと思います。その時よりも何年か後、深夜に放送しているのを見てオイオイ泣けて。少し大人になって理解できた部分もあって。
そもそも笑いってせつないものですよね。はかないというかね。昔から大変な時代に喜劇が流行したりするのは、きっとひと時でも心に灯りが欲しいという心理状態からだもんね。今の日本のお笑いブームみたいなものも、時代と無関係じゃないと思うもんなあ。
あとは、マンガ『ブラック・ジャック』のピノコの存在。想いを寄せているブラック・ジャックからは娘、あるいは助手として扱われ、自分自身はレレイ(レディー)のつもりでも、三頭身の身体から成長することは一生できないという。この心模様を繊細に描いたエピソードもいくつかあるんですけど、いや〜せつないですよね奥さん!(誰?)アッチョンブリケ、なんて、強がりをこれまた笑いに変えてね。手塚治虫もせつない作品が多い気がしますね。
巻頭にあった内田樹氏のインタビューにとても共感し、興味深く読んでいました。彼は幼い頃から少女マンガが好きで、女の子と遊んでいることが多かったといいます。僕も上に姉妹が3人続いた後の末っ子で、そのせいか昔から女の子と一緒にいるほうが楽でした。姉が集めていた少女マンガもよく読んでいて、キャンディ・キャンディなんて大好きだった。内田氏言うところの「男性型せつない」「女性型せつない」の分類では、僕は完全に後者ですね。スポ根や忠臣蔵より、届きそうで届かない、みたいなね。
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12月半ばに、2010年最後となりそうなライブが決まりそう。そうそうばかりですが、決まったらすぐにお知らせしますね。
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せつない曲。秋っぽいセレクト。
上のリンクで直接聴けます。下は収録アルバム。
The Blower's Daughter/Damien Rice
O/Damien Rice
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Hide and Seek/Imogen Heap
Speak for Yourself/Imogen Heap
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Sadsong/Fredo Viola
The Turn/Fredo Viola
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Breath Me/Sia
Colour the Small One/Sia
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2 birds/Mugison
Mugimama Is This Monkey Music/Mugison